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2008 年 5 月 27 日    
栗山の事例から学ぶ
〜市民参加の議会へ〜
議会改革へ連続学習会第1弾

5月17日、廣瀬克哉さんを講師に、議会改革について学習会を開催しました。
法政大学教授・廣瀬克哉さんは、現在、自治体議会改革フォーラムの運営委員も担っている方です。

2006年5月、北海道栗山町で、全国初の議会基本条例が町議会全会一致で制定されました。札幌から車で1時間半、人口14,000ほどの小さな町で、なぜ、全国初の基本条例が制定されたか。そこには、地方分権がすすむ中で、町の将来に危機感を持った議員たちが、議会の責任を果たすべく、議会改革を進めていった姿がありました。自治体の規模は違っても、私たちがそこから学ぶことはたくさんありました。


〔廣瀬先生のお話〕・・・・・・・・・・・・・・・・
地方分権時代を生き残るために
議会が果たす役割に気づいた議員たち

 改革前の町は、まちの活性化のために「補助金を取ってくることが政治」というような従来型の行政によって担われていました。しかし、自治体負担ゼロという補助金はほとんどありません。2004年(平成16年)の三位一体の改革前は、自治体負担分を交付税で賄うことがまだ可能でしたが、改革後は交付税が大幅に削られ、安易な補助金活用は財政悪化を招きかねません。隣の夕張の状況や、補助金に頼る町長を見て、「議会がしっかりしなければ町が破綻する」と議員自身が決心し、財政についての長期構想作成を行ないました。

議会報告会の実施
議会決定に責任を持つ議員に

 補助金を取ってばらまく首長のほうが、短期的視点で見れば人気が出ます。逆に、サークル団体への補助金カットは、わずかであっても文句が出ます。1団体あたりの補助金はわずかでも、積み上げればかなりの金額になります。カットが妥当と客観的に判断できるものでも、選挙で選出される議員にとっては、有権者でもある当事者にカットを報告することは、大変厳しいものです。

 そこで、一議員が個別に当事者に説明するのではなく、「議会」というまとまりで市民に報告を行なう「議会報告会」をはじめました。議員は在住地域でない場所の会に参加する、自分の意見は言わず議会が決めた結論を述べるということなどを、報告会のルールとしました。
 “在住地域の会に参加しない”とは、支持者を意識して厳しいことが言えなくなることを避けるため、“自分の意見は言わない”とは、決定に反対であっても自らが構成メンバーでもある議会決定に議員として責任を持ち「自分は反対したけど」という言い訳をさせないようにするためです。

 無責任な言い訳をできなくし、議会の決定に責任を持たせることによって、各議員は必死に勉強し、町民から出てきそうな質問を想定しながら、議会の中で納得できるまで質問を続け、徹底して議論するようになりました。
 報告会開催を重ねることで、住民の質問もレベルが高くなり、たとえば、地方自治体の負担軽減策として、地方債の借り換え・繰上げ償還についての細かい数字を含んだやり取りがなされるようになりました。

議会改革をとめないための選択=条例制定
 さまざまな議会改革をすすめていた当時の議員は、改選後の議員がこのようなハードな議員活動を続けていくかを危惧しまいた。しかし、町の将来を考え、議員が変わっても、改革で実施してきたことを継続できるようにと、議会基本条例を制定しました。

 「自由かっ達な討議をとおして、これら論点、争点を発見、公開する」ことを「議会の第一の使命」と規定した栗山の条例は、画期的と評されています。しかし、あたり前のことが画期的といわれるところに、今の議会の現状(問題)があります。
 ほとんどの議案は行政側から提案され、根回しで議会を通過。したがって、反対理由を聞くことはあっても、なぜ賛成かといった討議はほとんどされず、政策形成過程が市民から見ると非常に分かりずらくなっています。論点、争点は議論する中で明確になるわけで、議論がなければ、論点、争点を発見、公開することにはならないのです。
 栗山では、議会で議論を徹底することによって、住民に争点、論点、政策形成過程を明らかにしていきました。

市民が参加できる議会に
 政策立案には市民参加が不可欠です。議会においても同様であるべきです。まずは参考人や公聴会の制度を活用し、必要に応じて附属機関の設置も可能で、三重県議会基本条例では議会のもとの審議会設置を取り入れています。
 いずれにせよ、議会改革は市民の目の触れるところで進めていくのが大事です。



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